手外科

手外科とは?

手外科整形外科の一分野で、手関節から指先までの手の外傷、炎症性疾患、腫瘍、変形、神経障害などを診断し、治療します。食事、書字などの日常作動から音楽、芸術やスポーツなどにも手の働きはとても大切で、繊細さも必要とされます。正常な手の機能には、脳から指令を受ける運動神経、指先などから知覚、温痛覚などを脳に伝える知覚神経がはたらき、筋肉の収縮により腱が滑動し、手関節や指の関節が動きます。これらの過程で起こる全て障害が治療の対象となります。

外傷から発展した手外科は、顕微鏡を用いた微小血管、神経の手術も可能となり、靱帯再建や関節形成術から指の人工関節まで行われるようになりました。手術以外に装具や運動療法を駆使した手のリハビリテーションを専門とするハンドセラピストも重要な存在となっています。手外科専門医は、整形外科学会の研修を6年以上受け、整形外科専門医(約17000名)を取得したのちに、4年以上の手外科認定施設で研修後、テストと面接を受けて認定される難関な専門医(約900名)です。

当院の手外科の特色

手外科専門医の6名の医師

手外科専門医の4名の医師院長を含め手外科の専門医が6人、在籍しております。いずれも十分な経験と最新の知識、それらを活かす技術を兼ね備えております。安心してご相談ください。

ハンドセラピストが在籍

ハンドセラピストが在籍専門のトレーニングを積んだハンドセラピストが在籍しております。手のリハビリテーションにおいて、専門的技術を駆使した施術を行い、機能回復、痛みの軽減をサポートします。

日帰り手術も対応

日帰り手術も対応手外科の日帰り手術を行っております。日帰り手術を支えるのは、確かな治療・麻酔技術と、設備体制です。
十分に安全を確保し、患者様のご負担の少ない形で手術を受けていただけるよう、万全の体制を整えております。

手外科の対象疾患

骨折(マレット骨折、中手骨骨折、舟状骨骨折、橈骨遠位端骨折)

部位により、治療法が異なります。基本的には手術なしに治療できればよいのですが、ギプスや装具の固定の方法と固定期間、さらに骨折部の変形の程度により手術が必要な場合があります。

靱帯損傷(PIP側副靱帯、拇指MP側副靱帯、PIP掌側板損傷)

スポーツや外傷で比較的若い男性に多発します。脱臼を伴う場合や不安定性のある場合には、早期に手術での縫合が勧められます。

TFCC損傷(尺骨突き上げ症候群)

手関節の尺側(小指側)の痛みが主となりますが、力が入らない、手のひらを上に向けられないなどの症状で初診されます。スポーツや外傷がきっかけとなることが多いですが、軽微な動作によっても起こることがあります。レントゲンで尺骨が橈骨より長いこと(尺骨突き上げ症候群)が多く、通常装具で保存的治療から開始します。

腱鞘炎(ばね指、ドケルバン腱鞘炎)

手指を曲げる腱が、それを押さえる腱鞘との間に起こる炎症を腱鞘炎と呼び、屈筋腱が手のひらのところの腱鞘で圧迫されて伸ばせない、スナッピングを起こす状態を狭窄性腱鞘炎(ばね指)と呼びます。親指の付け根から手首にかけての好発部位があり、女性に多いドケルバン腱鞘炎があります。診断は容易で、局所の安静か、ステロイド注射が奏功します。
再発例、指の拘縮例には手術も必要です。

手根管症候群(肘部管症候群、ギオン管症候群)

親指から中指(薬指の半分まで)にかけての痺れ、夜間の痛みで発症することが多く、放置すると母指の運動麻痺が始まり、ボタン止めなどの細かな動作が困難になります。中高年の女性、スポーツや仕事で手を酷使する方によく見られます。初期には、局所の安静、装具療法、投薬などで対応しますが、知覚検査、神経伝道速度の測定などで進行している場合には手術が必要です。

手の小指と薬指の小指側のしびれと手指の運動障害は、尺骨神経の圧迫により起こり、圧迫の部位により肘(肘部管症候群)と手首(ギオン菅症候群)があります。どちらも運動障害の起こる前の理療が大切です。

へバーデン結節(ブシャール結節)

中年以降の女性に多い指の第1関節(ⅮIP関節)の変形性関節症です。両側多数指に発症し関節の腫脹、屈曲変形、痛みを伴うことが多いです。変形が進行して動きが制限されると痛みも治まってきます。女性に多いので、ゴツゴツとした指先の外観が気になります。加齢性病変なので、痛みの強いときに対症的に痛み止めやテーピングなどで対応しますが、病変は徐々に進行します。関節の一部を削ったり、関節を固定する手術で、外観と痛みを軽減することが可能です。

へバーデン結節よりはるかに頻度は少ないのですが、同様の病変が指の第2関節にも起こるのがブシャール結節と呼ばれます。動きが大切な関節なので、痛みと動きの制限の程度により人工指関節の適応になります。

拇指CM関節症

親指の根元の関節の変形性関節症で、手の中で最も負荷のかかる関節なので50歳以降に多く見られます。亜脱臼が始まり親指を広げる動作が制限され、痛みが強くなるとペットボトルのふたが開けられない、ドアノブを回せないなどの日常動作まで制限されます。装具療法を含めたリハビリテーション、ステロイドの関節内注射、関節形成手術など症状の進行に対応した治療法があります。

ガングリオン

手背や手掌近位他身体のいろいろな部位に発生するゼリー状物質を含む良性腫瘤です。神経の刺激により痛みを伴う場合があります。注射針による穿刺で治療と診断が可能です。再発も多いので手術による摘出も必要になります。

リウマチによる関節病変と変形

リウマチは自己免疫異常による全身性の病変です。手指の関節炎や腱鞘炎により、中年以降の女性に発症することが多い疾患です。ひと昔前は不治の病と考えられていましたが、この20年で治療薬と検査の著しい進歩がありました。早期発見早期治療で、リウマチの進行はかなりの確率で抑えることが可能です。まずは、血液検査、レントゲン検査、専門医により診断を確定することが大切です。投薬によるコントロールと同時に腫脹関節があれば、ステロイドの局所注射も必要で、装具を含めたリハビリテーションはとても大切です。
リウマチにより関節に不安定性や破壊が起こると、特有な病態を起こします。

腱損傷(屈筋腱損傷、伸筋腱損傷、伸筋腱脱臼)

外傷による腱の断裂はできるだけ早期に縫合して、ハンドセラピストによるリハビリテーションが大切です。一方、救急病院で初期治療を受け、しばらくして指の動きがおかしいと、陳旧性の腱断裂の診断となることもしばしばあります。外傷性の腱断裂では同時に神経損傷の合併や、腱の癒着により動きが制限されることもあります。いずれも手術と術後のリハビリテーションが重要です。親指の先が伸びない長母指伸筋腱断裂は橈骨遠位端骨折や捻挫後にしばらくしてから発症することがあります。又、軽度な打撲や、作業で伸筋腱がMP関節部で脱臼する伸筋腱脱臼は中指に多く、痛みを生じることがあります。装具で治すことも可能ですが、早期に動かすための手術も積極的に行われます。

腫瘍(内軟骨腫、グロームス腫瘍、腱鞘巨細胞腫)

手には悪性腫瘍の発症は稀ですが、ゼロではありません。骨腫瘍で多いのは、良性の内軟骨種です。レントゲンで偶然、指の骨に空洞が見つかる場合や、腫瘍により薄くなった骨に病的骨折をきたして診断される場合があります。治療は、手術で腫瘍を取り除き人工骨を充填します。指先の痛み(特徴的な爪の下の激痛)で発症するグロームス腫瘍は親指に好発します。爪から透けて見える腫瘍は、レントゲンで末節骨を背側から侵食し、MRIで腫瘍を確認できます。手術的に摘出術が必要です。腱鞘から発生する腱鞘巨細胞種(Giant cell tumor of tendon sheath)は色素性絨毛結節性滑膜炎(pigmented villonodular synovitis, PVS)とも呼ばれ黄褐色の結節状の腫瘍で腱鞘から関節内へ浸潤して増殖するので、組織で巨細胞がみられるのですが、良性の腫瘍です。再発が多いので広範な廓清術が必要です。

その他(デュプユイトラン拘縮、関節拘縮、神経損傷、断端神経種)

外傷や腱鞘炎などの病変の内容にかかわらず、関節の動きが減少し固くなった状態を関節拘縮と呼び程度のよっては手の機能を著しく障害します。関節の動きを改善するためのハンドセラピー、装具、程度によっては手術で治療します。手の神経障害によって独特な手の変形があります。最も多いのが下垂手(Drop Hand)と呼ばれ、熟睡した後手首と指が伸ばせない状態になります。腕(肘より近位)を寝ている間にベッド柵か何かに圧迫されたために起こる橈骨神経の一過性麻痺です。程度によりますが、通常2-3週で手首から伸ばせるようになり2か月以内に治癒します。鷲手(Claw Hand)は、尺骨神経の運動麻痺による変形で環指、小指のIP関節が曲がり、MP関節が過伸展します。正中神経麻痺も合併すると親指の筋も萎縮し、すべての指が鷲手(Claw Hand)となり手の機能障害が著しくなります。原因となっている神経の治療が大切ですが、完成した(進行した)変形に対しては麻痺した筋を正常な筋で再建する腱移行術が行われます。指や手背などの切り傷などの後にピリピリと痛むしこりのようなものができることがあります。表層の神経(知覚神経)が損傷されるとその断端が膨らみ(断端神経腫)時には耐えられないほどの痛みとなります。手術により切除、断端の深部組織への埋没などが必要です。

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