リウマチ手の治療の現状

リウマチ手の治療の現状

リウマチ手指の手術を施行している施設はまだまだ限定されていますが、近年わずかながら増加傾向にあります。学会の討論では、ADL(日常生活動作)からQOL(生活の質にこだわる生活)の時代になり審美的手術適応にも言及されるようになってきました。”リウマチの手指病変は緩やかに進行するので、変形などにも適応し、変形が進行した外観であっても上手く使用できている“ ので手術的治療はすべきでないという考え方がごく最近まで主流でありました。”たくさんの病院で診察を受けたが、手術をしても良くならない”とか“使えているならこのままで経過を観ましょう“と手術の選択肢を与えられなかった患者様の声を長年聞いています。

今年の日本手外科学会のシンポジウムで「リウマチ手指変形の治療」が取り上げられ、行岡病院の正富先生と私が座長を務めました。会長の水関先生も我々と同様に20年以上リウマチ手の手術をされていたのでシンポジウムの1に”リウマチ手の手術“を取り上げてくださいました。学会の1週前には正富先生がクリニックまで打ち合わせに駆けつけてくれました。90分の時間内で各演者の発表後30分の討論時間を持てるように、演者への時間厳守を徹底し、かなり細かいところまで打ち合わせをしました。毎年いろんな学会や研究会で発表や座長を引き受けていますが、日本手の外科学会のシンポジウムともなればやはり責任の重さがありました。新潟の田島先生、関西医大の森先生、東京で山内先生の後は10数年間”リウマチ手の手術”が日手会でシンポジウムに取り上げられることがなかったのですから。会長の水関先生から、是非にと」の連絡を受け座長を引き受けました。そのような理由があり、討論も事前の打ち合わせ通りかなりマニアックな内容となりましたが、新潟の石川先生以外は一世代若返った演者の顔ぶれであったので、“20数年前にはリウマチ手の手術の発表をすると会場から偉い先生からお叱りを受けたエピソード、4~5年間学会でリウマチ手の演題が消えた時代があったこと”を座長からの意見といて述べました。最後にリウマチ手の手術に市民権が得られたと思いますかとの質問に対して;”リハビリの環境も整い、種々成績も向上したので手術が増えてきている“、”機能面は当然だけれど、外観面でも手術を希望する患者が増えた“、リウマチ内科との連携がもう少し足りない”などの意見がありました。

シンポジウムは無事終了し、たくさんの先生方から大変充実した内容であったとの評価を得て安心しました。また、シンポジウム直後のセッションに加えて翌日もう1つのリウマチのセッションとポスターセッションの計4セッションにリウマチが取り上げられたということは、リウマチ手の手術に対しての関心が高まっていることを感じることができました。

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